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The Customer Journey / 加藤希尊

変化が激しいからこそ、企業やブランドの論理ではなく、顧客の立場でビジネスやマーケティングを考え直すことが、カスタマージャーニーの重要な役割となるでしょう。
(p.5)

ポイント

・IoT(Internet of Things) によって、サービスの変化はもちろん顧客接点をよりスマートにできる可能性あり
コモディティ化:あるジャンルの商品が幅広く購入でき、代替品でも良くなること。時間の経過とともに競争の中で強みが失われて日用品化してしまうこと。
・スマート化の影響:消費者の情報網の多様化。商品購入のタイミングや決定権が消費者によって握られるため、顧客接点の競争が起こる。
・コモディティ化の影響:競争が起き、製品ライフサイクルは短くなる。品質においての差別化が必要になる。
・人口減少の影響:購買力は落ちるので、起業は少ない量を奪い合う。
カスタマージャーニー:顧客の一連のブランド体験を表した言葉。認知・購買・再購入の段階で、ブランドと接する一連の行動プロセス。

個人的のーと

【カスタマージャーニーを作る】
・ペルソナの設定
・シンプルなフェーズ→サブステージ→具体的な顧客行動
・顧客の不満など感情を書き出す
・顧客接点の明確化・提供価値・リスクの洗い出し
・ビジュアル化

顧客接点の変化

顧客接点が以前のCMなどの広告や店舗などを中心とするものから変化しているというのは、一消費者としてもよく感じるものです。インターネットが日常的に使われるようになり、消費者どうしのコミュニケーションが非常に増える中、情報はもはや起業にコントロールできるものではなくなってきているように感じます。

例えば、SNSでバズった商品が一定期間一定の年齢、また一定の層で爆発的な人気を読んだりすることが日常的に起きるようになったりもします。他には、モニターとして化粧品などを使い、SNSでシェアすることでお小遣い稼ぎをするような企業と学生のつながりも経験しました。

CMなど一方方向のプロモーションの他に、圧倒的に消費者からの信頼を集めているのは口コミとも言えます。実際に友人の消費行動を見ていると、友だちがいいと言ったものをみんなが使う傾向があると感じます。また、ベストコスメ大賞などの口コミを頼りにするように見えます。

そのように企業と顧客との接点が変化する中で、カスタマージャーニーを考えることはより必要になっているのだと思います。顧客に認知・購入・再購入してもらう各フェーズを通して、様々な関わり方をすることができ、またする必要があります。

例えば語学留学に関して言えば、留学をしたいと考えている人に企業は認知し、選んでもらわなければいけません。実際の検討段階で満足してもらい、購入してもらう場面、実際の留学中とつながり、その後またリピーターになってもらう、また周囲へのインフルエンサーとなってもらうことができるかを、段階別に考える必要があります。

本書では競争に優位になるためのカスタマージャーニーの作り方を示すマニュアルでもあります。企業はそれぞれ様々な購入頻度、価格、性質の商品やサービスを持っており、その販売方法も多様です。滝に渡すサービスや企業の実際のモデルがカタログのように多数並べられている点も本書の魅力であると感じます。

実際にカスタマージャーニーを先程の留学について個人的に絞って見ようと考えていますが、その際にペルソナをどの年代に設定するかが重要になると思います。自分に最も近い顧客層(心理や提供される価値について一番深い理解ができる)と重要顧客層について考察しようかと考えています。

約3行感想

そもそもマーケティング知識が殆ど無い中本書を読み、頭に入らず何度も読んだ文章もありましたが、カスタマージャーニーという一点に絞られているので比較的理解はしやすいと思います。具体的な事案に関しては、もっと知識があったほうが理解できるだろうと思うものも多かったと思います。