留学を検討する際に、決めなければいけないことのひとつに住居があります。いろんな手続きとかに追われる忙しい期間に考えるのは大変かもしれませんが、どこに住むかは大きく留学生活の満足度が変わるポイントでもあるんです。
なぜなら、どこに住むかで「誰と日常的に関わるか・どれだけ英語を使えるか・友達の輪・生活リズム」などなどが留学生活を左右するポイントが決まってしまうんです!
今日はその中でも大学生の留学生の主な選択肢、ホームステイ・寮・フラット(アパート等での共同生活)についてメリットとデメリットをみていきたいと思います。
自分にあった住まいを選んで、なるべく後悔のない留学生活にしていきましょうね!
目次
留学の定番:ホームステイ
留学というともしかしたら想像する人も多いだろうホームステイ、もちろんたくさんの人が利用しています。わたしもアメリカではホームステイを利用しました。大学や代理店のプラン等から申し込むことができます。
【ホームステイのメリット】
ファミリーは現地の文化を教えてくれる身近なサポーター
大学への行き方、バスの乗り方は慣れないはじめのうちは不安でしかないですよね。そんな時、それを教えてくれるファミリーの存在は大きな安心につながると思います。
また、ファミリーは留学生の受け入れに慣れていることも多いので、前の学生が置いていったバスカードなどをそのまま残しておいてくれたり、大学まで初日は送ってくれたりする場合もあります。
また、見慣れない食べ物や現地の独特な文化もファミリーと話すうちに、たくさん学べます。家族の生活を見ているだけでも、日本との違いはたくさん見つけられそうですね!
強制的に英語を話す機会ができる
ファミリーと生活することで、一人で暮らすのとは違って毎日何かしらのコミュニケーションを取る必要が出ます。自己紹介・家族のルールなどを理解するなど、留学の初日から英語を使うことから逃れられない環境になります。
なかなか自分から交流の輪を広げられない、けれど英語を毎日話したい、っていう方にはいい機会かもしれません。私はアメリカに留学した時に、ホストファミリーがおばあちゃんのひとりだけで、夕ごはんは2人で向き合って食べました。どうしても会話をしないと気まずいので、何かしらその日にあったことを話せるように準備して、会話をするように心がけていました。
子供など、関わる機会のない年齢層と関われる
おばあちゃんおじいちゃんや小さな子供は、学生が普通に生活している中では全く関わる機会がありません!
小さな3人の子供たちがいるファミリーと住んでいた友人は、毎日遊んであげていました!途中からはホストファミリーの子供たちを「うちの子は~」って話すようになっていました笑
ただ、ファミリーの構成は大抵選べないので注意が必要です。むしろここに期待するのは、ファミリーとのミスマッチが生まれやすくなって危ないかもしれません。子供がいるお家がいい、犬がいるお家がいい、などのリクエストをしてもそのとおりにならないことは多々あります。
パーティーなどに呼んでくれたり、開いてくれたりする
ウェルカムパーティーやお別れパーティーなどを留学生のためにしてくれるファミリーもいます。自分のために温かいおもてなしをしてもらえるのは嬉しいことですよね。ファミリーとのつながりを感じられるイベントがあるのはホストファミリーならではの経験です。
料金が比較的安い
ほとんどのホストファミリーの場合、水道や電気代、食事代をすべて料金に含んでいるため、追加の料金を気にする必要がありません。また、寮やフラットでの生活より料金は比較的安いと言えます。
【ホームステイのデメリット】
日本人の夢見るホストファミリーはほぼいない
まず1番にお伝えしないといけないのは、ホストファミリーが何でもサポートしてくれて家族の一員に迎え入れてくれて、日本の文化が好き、なんていう期待は持たないほうがいいです。
文化交流や留学生支援を純粋な目的としているホストファミリーは少ないのが事実なんです。日本人の方がよくイメージするあたたかい家庭を思い描いていったら、ビジネスライクでがっかりしたという話はよく耳にします。
実際に収入のために間貸ししているという家庭も多く、そういう場合には家族の儲けを増やすために食事をケチられてしまうという話も聞きました。
ファミリーとの相性の問題
一度ホストファミリーが決まっても、一緒に生活をするまでどんな人たちかは実際のところはわかりません。一人の時間が好きだけど、子供たちと遊ぶのが恒例行事だから一人でいられない、、。英語をもっと話せると思ったのに全然自分に関心がなさそう、、。
など、自分の性格とファミリーの性格が合わないことがあるかもしれません。
食事が合わないことも
そもそも、海外の文化なので、日本人の口に合うかどうかはわかりません。
例えばニュージーランドの料理には、よくフルーツが入っているのをみます。パイナップル入りのサラダなどは好みが分かれるものですよね。
自炊や寮ではあまり気を使いませんが、ファミリーが作ってくれたご飯だし断れないということに悩んでいる友達も多かったです。
ちなみにわたしはアメリカのホームステイ先のマザーが、自他共に認める料理のできない方でした。食卓で向かい合って食べる時間がそんなに楽しい時間ではなかったことを覚えています…。
ホームステイや寮のご飯についてはこちらの記事もどうぞ▽
生活時間のズレ
大学生ともなると、夜出かけることがあったり、授業がなければ朝は遅くまで寝ていたいなんてこともあると思います。
ですが、キウイの朝は早いです!休日も朝早くから走りにいったり、ハイキングに行ったりするのが普通だったりします。そして夜ご飯と就寝が早い!笑 健康的な生活をする人が多いと感じます。
わたしの友達は、休日12時くらいまで寝れてしまう典型的な夜更かしタイプでしたが、病気なんじゃないかと何度もマザーに心配されたと言います笑
大学から遠い家の可能性も
ホームステイ先は住宅地や郊外なことが多いので、通学や街に遊びにいくのが不便なことがよくあります。
バスを乗り継いできている子や、休日はバスがなくなる子もいて大変そうでした。遊ぶときも常に帰る時間を気にしなきゃいけないなど、それにストレスを感じる人には向いていないかもしれません。
私がアメリカで過ごしていたときは、バスと電車を乗り継いでいかなくてはならず、1時間以上かけて語学学校に通っていました。もちろん交通費は自腹です。
現地の大学生も多数:大学の寮
続いては大学の寮の紹介です。わたしがウェリントンで暮らしていたのも、タウンに近い大学の寮でした。大学のホームページなどから申し込むことができます。(例えばこんなページです)
【寮のメリット】
大学へのアクセスが確保されている
大学の付属寮なので、大学から近かったりシャトルバスがあったりします。基本的に大学に行くのに困ることはありません。わたしの場合は歩いて15分でした。
ニュージーランドのウェリントンは小さい街なので歩いて行けるところが多いですが、その他の都市でも大学の寮はやっぱり近いところに集まっている印象があります。
イベントなどを開いてくれる
季節ごとのパーティーやスポーツ大会、各階ごとの交流会などを寮が主催で開いてくれました。普段生活するだけでは関われない友達や、他の寮との交流ができたりします。
わたしはそんなに寮に友達がいたわけじゃないですが、勇気を出してバレーボール大会に参加したところ、その後新しく何人かとかを見知りになりました。好きなことをして友達ができるのも嬉しいですよね。
同年代の友達ができやすい
これは寮にもよりますが、特に食事付きの寮では寮の食堂で毎日顔をあわせることでだんだん仲良くなったりします。わたしの場合はトイレやバス等も共同だったので自然と顔をあわせる機会は多く、友達になりやすい雰囲気ではありました。
一方でアパート型の寮に住んでいた友達は完全な一人暮らしスタイルで友達ができないと悩んでいました。寮の希望を出しても必ずしもそれが通るわけではないので、不安定要素ではあります。
自分でやらなきゃいけないことが少ない場合が多い
寮にもよりますが、食事付き、トイレバス共用のわたしの寮では、料理と掃除の必要がありませんでした。完全に自分の部屋を管理するだけでよかったのでとても生活が楽でした。
【寮のデメリット】
男女共用は普通
どの大学の寮かにもよりますが、わたしの寮は男女共有のフロアしかなく、トイレもシャワーも共用でした。
わたしは潔癖からだいぶ遠いところの人間なので問題なかったですが、日本人結構きついんじゃないかなって思うことも多いです。(だれ目線だよ笑)
日本より水回りの技術は良くないですし、何より使うのが同世代の男女共同っていうのはちょっと気になる人も多そう。あとは音姫的な機能もないので神経質だと具合悪くなっちゃうかもですね。
うるさい&きたない可能性
これは、ここの寮の住民の多くがピカピカの大学1年生だからだと思います。大学に上がりたてのパーティーピーポーであることも少なくないです、、。
金曜土曜の夜はもちろん、学割のある水曜日の夜からお祭り騒ぎってこともしばしば。そしてその翌日にはエレベーターがお酒まみれだったりします。
わたしの寮は15個くらいある寮の中でもかなり治安の悪い有名な寮だったので、壁とか破壊されてることもありました…。一応ルールもありますし、警備員さんとかもいるんですけど、やっぱり荒れるときは荒れてしまうみたいです。
幸いなことにわたしは留学生用の静かなフロアに住めたので、直接不愉快な思いをすることは少なかったです。
ルールがあることも
食事の時間や静かにする時間(就寝用)、お酒に関する禁止事項、友達などゲストの規制など、当然ですが共同生活ですのでルールはあります。
基本的には一人暮らしのアパートなどと同じですが、食事をとりたい場合なんかは大学から帰る時間を気にしたりはしました。
料金が比較的高い
寮は一人部屋や二人部屋、食事ありや食事なし、水回りが共用かなどの様々な条件によって値段が変わります。ですが、一般的にはホームステイより高い料金設定のことが多いです。フラットやシェアハウスとの比較は立地等で大きく変わりますが、食事付きの寮の場合は高くなることが多いです。
自由で自立した留学生活:フラット・シェアハウス
一言で言えば、シェアハウスです。2人から8人くらいでアパートなどに住み、自分の個室と共同スペースを使って暮らします。ウェリントンはとんでもなく住居が高く、とてもじゃないけど一人暮らししてる大学生なんていません!!日本の一人暮らしの感覚でみんなシェアハウスしている感じだと思います。
【フラットのメリット】
自分で自分の生活を選べる
何と言ってもフラットでの生活の醍醐味は、縛られないことだと思います。自分で自分の生活を組み立てる感じなので、過度に気を使うこともないですし、一人で行動できます。
自分にあった条件で(場所・値段・フラットの人数など)自分で交渉することが多いので、その点ではホームステイや寮よりも自分で決められるところは大きいと思います。
大抵街に近い
街に近いところにも多くのアパートがあって、街まで歩いて行けます。もちろん丘の上の方にもフラットはあるので、自分にあったところを選んでいく感じですね。
フラットメイトという友達ができる
共同生活で最も大事なのは一緒に住む人ですよね。共同生活をするうちに、自然と英語を使うようになりますし、友達になれば一緒に遊びにいくこともできます。逆に、友達と一緒に移り住んだりすれば楽しいシェアハウス生活の始まりですね!
【フラットのデメリット】
フラットメイトとの相性が合わないことがある
先ほどのメリットと相反しますが、よく聞くのはフラットメイトとの相性が合わないことです。
友達を呼んだらフラットメイトの機嫌が悪くなったとか、逆にフラットメイトがうるさいとか。また、一緒に生活する上では共同スペースの掃除なども協力してしなければいけません。電気代なども折半なことが多いので、みんなが協力しないとギスギスしてしまうこともあります。実際に友人からはフラットメイトの不満をよく聞いていました。
自炊や掃除で時間が取られる
自分の好きなように生活できる反面、自分の面倒は全部自分で見ないといけません。日本で一人暮らしに慣れている人には苦ではないかもしれませんが、もし一人暮らしが初めてだと最初はなかなか苦労しそうです。
特に勉強に追われている時期にはいろんなことが面倒になってしまうというひともいます。わたしの友達も、課題に追われている時期に自炊は大変だと嘆いていました。
日本にいる間にフラットを探すのは大変
フラットは空いたところに順次人が入れ替わりで入っていくシステムが多いです。つまり、どこが空くかいつ空くかが非常に不確かでもあります。
日本でビザを申請する際には住居の証明をしなくてはいけないので、日本にいるうちに数ヶ月先に住むフラットを決めて~というのは極めて困難だと思います。
特に現地の友達などがいない限り、手探りでフェイスブックなどから情報を集め、個人的にその人にコンタクトを取って、、ってなかなか難しいです。逆に現地に頼れる人がいる場合は、その人にコンタクトを取って一緒に準備をすすめることができるかもしれません。
まとめ:留学先の住まいを選ぶポイントは?
ここまで3つの選択肢のメリット・デメリットをそれぞれ見てきました。結局どう選んだらいいんでしょうか??
まず留学への心構えをおさらい
せっかく留学に行くなら、その時間が満足な時間になってほしいと思っています。一方で、海外で思い通り・想像通りになることなんてほぼないんです。
思い通りにならないと満足できない人は、留学生活で思いっきり楽しむことは難しくなってしまうのも事実です。特に、日本での当たり前は当たり前ではないので注意が必要です。人種や家庭環境が違う人達との新しい生活には、どんな人でも戸惑うことも多いと思います。
自分が学ぶべき文化の違いや多様性なのか、勉強や健康に支障が出る程度のことなのかは見極める必要があります。環境や人からも学べることがたくさんあるのが留学生活の醍醐味なんです。
譲れないポイントを考えて選ぼう
そのうえで見ていただければわかるように、どこにだっていいところと悪いところがあります。もう相性というしかないと思いますが、自分の性格と希望する留学生活を考えて決めるしかないんです。
例えば、同年代とたくさん関わり、自由な生活を送りたいと思う方にはホームステイは向いていません。一方で、郊外に住んで、到着後や帰国前のサポートがしっかりしていないと不安という場合は、ホームステイが1番頼りになるでしょう。
不安定要素はどれを選んでもある
住居選びに失敗したくない!そう思っても実際には自分で決められない部分が多いんです。例えばホストファミリーを選ぶのも、自分ではできないことがほとんどです。条件を出すこともできますが、アレルギーなどがない限り希望通りになるとは限りません。
大学の寮も希望を出せたとしても、必ずそれ通りになるとは限りません。また、フラットに関しては自分で一緒に住む人を選べないことも多いです。
どの選択肢を選んでも、自分では選べないことがあるのを予め覚えておきましょう。
違うと思ったら途中で変えてもいい
そして、一番のポイントは、「ちょっと違うな」と感じたら積極的に違う場所に移っていいということです。
わたしの友達も、4ヶ月で寮の更新をやめ、フラットに移っていました。早めに行動すれば取れる選択肢は増えるので、行動してみる価値はありそうです。
留学の期間が短かったり、エージェントを使ったりした場合には住居の変更には制限があることはあります。ですが、ホームステイの家族と相性が悪い場合に別の家族を紹介してもらったり、交渉すれば対応してもらえる可能性が高いです。せっかくの海外での生活が充実したものになるように行動して見る価値があります。
参考:高校生と大学生のホームステイの違い
高校生のホームステイはおすすめ?
ちなみに、高校生の留学と大学生の留学だと、ホームステイの良し悪しは大きく変わるように思います。高校生には、ホストファミリーがより強くおすすめできるんです。
というのも高校生の留学の場合、ホームステイ先はケアの行き届いた家族であることが比較的多いと思います。高校生を受け入れられる家庭は大学生とは違って食事や休日のケアが充実している可能性が高いです。私の妹も3ヶ月間の留学で、ホストファミリー大好きで帰ってきました。
ですが大学生の場合、自立している大人として扱う・ビジネス目的で受け入れをしているなどの理由から、ほっとかれることが多いのも事実です。先程もお話したとおり、あたたかいケアを受けられると期待するのはリスクが高いです。
参考:ホームステイ選びに裏技はないの?
ホームステイの理想が崩れたという方もいるかも知れません。悲しくなってしまった方、ごめんなさい。
ここでは、ビジネスじゃないホストファミリーを選ぶ裏技はないのかという質問にお答えしていこうと思います。結論から言えば、確証のある裏技はありません。
ですが、行く場所を選べば想像するホームステイ経験に近いものを得られる可能性は上がります。めちゃめちゃ田舎に行くと、ビジネスではないご家庭にお邪魔できるかもしれません。どうしても都市部や物価や地価の高い場所にいくと、すこしでも家計の足しにしたいという家族は多くなります。もし行く場所にこだわりのないという方は、参考程度に考えてみてください。
留学するなら毎日楽しく、生活をストレスに感じることなくたくさんの経験をしたいですよね。それぞれにあったいい住まいが見つかることを願っています!