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なぜ「偏差値50の効率高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか⁉︎ / 日野田直彦

子供たちが50年後の過渡期の未来において、問題解決に立ち向かえる思考能力をもつには、who you are ?に対して答えられるかどうかが大事だと思います。space やjourney といったテーマ一つに対して自分の言葉で説明できるかどうか。要は、みんながそれぞれディフィニッション(定義づけ)をして、自分の言葉で説明できるようになれば、突破口となるアイデアや発見を自分の力で見つけることが可能だと思うのです。
(p.137)

ポイント

・どんなことでも対話を重ねることが大事
英語が出来ない<日本語でもディベートができない→まずは日本語で意見を言えるトレーニングが必要
・ホワイトボードは日本人的議論には有効(誰が言ったかではなく何を言ったか、議論のポイントを明確にする)

個人的のーと

・先生方の信頼関係を築くための施策(粘り強い対話・飲み会での愚痴禁止・オープン会議)
・英語は水泳と同じ
・箕面高校のテーマ(グロースマインドセット・フィードバックマインドセット・タフネス)
・トップダウンの構造をとる学校において、先生が生徒にとって危険因子である可能性が高い

こんな教育受けたかった!

こんなことを言っても始まらないですが、私もこう言う環境で学びたかった!そう強く思いました。それは、ただ英語ができるようになるからという理由以上に、物事の考え方や伝え方、それについてグローバルに使えるマインドセットを高校のうちに身につけることができると感じたからです。

ただ、本書ではどんな人材を育てるのかと言う点はもちろん、組織をポジティブに変革することについて考えさせられる内容でした。

組織を変えるということ

組織への変革にはそれまで行ってきた人達からの反発は避けられません。そしてそれでもなお変えようとするためには、対話・信頼関係・自発性が求められると感じました。

そもそも、これを変えましょうと言う時の論理性は必要です。でも、潜在的な問題についてはそこにいた人たちから問題であると言う声が上がってくるまで根気強く話を聞き続ける必要があると感じました。

一方で多少の反発では折れない信念は不可欠でしょう。どんな場合でも、相手は信念自体に強く反感を覚えると言う場面は日本人には多くないと思います。

反対している側にとって主張者は自分を理解していないと思うとき、上手くいかなくなるのではないかと思いました。どれだけ歩み寄り、みんなが妥協できる案までたどり着くこと。時間がかかっても諦めず地道にそれができるかで、同じゴールを掲げても違う結果を生み出せるのではないでしょうか。

大人はリスクヘッジのみ。子供に任せる

いい生徒とはなんなのか。それは先生にとって都合のいい生徒ということではないのか。

日野田先生はよく先生に、あなたが若い頃思っていたように、いま私たちは頭が固いと思われていると話されるそうです。そして、だから子供たちに任せようと言うのだそうです。

「あなたはどう思う?」と聞ける先生、「who you are?」に答えられる生徒。これが先生の目指すものです。それは対話をベースにゼロから考える力を前提としていると感じます。

今の日本の教育は均等な労働者を生み出すことに成功したものです。もうこれから求められるのはその力ではないのです。権力ではなく対話ができるのか。大人に片足を突っ込んだ私ができることは、自らに問うことをやめないこと、考えること行動することをやめずに社会に出ることではないかと思っています。

約3行感想

私もこのワークショップ参加したい、、!そんな思いを掻き立てられながらギラギラとした目で読みました。ですがそもそも今までの外部環境のせいにはしたくないので、自分ができる最大のことをここから見つけてトライしたいです。