STUDY ABROAD

【大学入試のない国】ニュージーランドの学生は日本の大学生の数倍勉強している?

留学中によく考えることの1つに、日本にいた頃って本当に勉強していなかったなっていうことがあります。ニュージーランドでの勉強の方が、英語であるということを除いても実践的でかつ成績が取りにくいのではないかと思ったんです。

まあ言語のハードルを取り除いて判断することは個人的には無理なのであんまり言及しませんが、それにしてもやっぱり日本の大学生ってカスなんじゃないか、と思ったり思わなかったりするので今日はその話をしたいと思います。

・そもそもの大学制度の違い

・日本の大学生ってどのくらい勉強しているんだろう

・就職にどれだけ学業が関係するのかの違い

・日本の大学生は学生時代に何をすべきなのか

・そもそもの大学制度の違い

日本の大学は4月に一斉入学がまだ一般的であり、4年制大学がほとんどですよね。でも、ニュージーランドでは2月、7月に学期が始まり、基本的には2月に1学期が始まるものの自由に入ることができます。また、こちらは(一部の学部、例えば法学部を除き)3年制です。ギャップイヤーといって、一年間海外を巡ったりする学生もいます。

また、ニュージーランドでは他の海外大学と同じように授業1つに対してお金を支払うシステムでもあります。1学期に3~4つのコースを取り、1コースにつき授業が週3時間ほどあります。日本は、週1コマの授業を10~12個ほどとって20~26単位取るのが普通じゃないでしょうか。海外と同じ方式は、上智大学で言えば国際教養学部が取り入れています。取るだけとって落としても大丈夫、っていうのとは違うんですね。

もちろんその学部を卒業するために必修は決まっています。100番代の基礎コースから、200、300とレベルが上がっていきます。コースごとに合格すると取得できるポイントが決まっており、それが日本でいう卒業に必要な単位と同じです。このポイントが足りないと卒業できないのは日本と同じです。

日本と大きく違うのは、入試的な試験が特にないということです。ニュージーランドの高校卒業に匹敵する資格が必要ですが、書類審査さえ通れば入学はかなり簡単にできます。(なんならわたしは間違えて3年間通う入学手続きの申請を出したんですが、間違えたって気づかないうちに入学申請許可されてました、衝撃)

日本は一番の関門が入学試験なんじゃないかなって思います。実際入学したら卒業はほぼ確実にできますし。ニュージーランドで法学部の友達がいましたが、学部変更や中退などのドロップアウトが非常に多いらしいです。

・日本の大学生ってどれくらい勉強しているんだろう

こちらにきて、勉強が楽だなと思ったことと、大変だなと思ったことどちらもあります。

楽だと思ったのは、採点の基準などが明らかにされており、それで何%自分がスコアを取れたかがわかることです。日本でわたしは期末テスト100%の必修も多かったし、自分がどこを間違ったかもわからないので、明らかに勉強はしやすいかなと思いました。(日本みたいに後から文句つけたり、やたらめったらズルしようとする人がいないんですかね、、笑)

だから、単位だけ取ろうと思ったら、そのコースの50%のスコアだけとってればいいんです。課題や中間テストとかで単純に50%以上超えたら、もうそれ以上勉強しなくてもいい的な余裕はありますね。(もちろん成績はA+から順についていくので後々のことを考えたら勉強するに越したことはありません。)

もう1つありがたかったのは、大きな課題の日にちが事前にシラバスに載っているということ。予定をあらかじめ設定して勉強できるので、突然教授が来週までの課題出してきたんだけど、みたいなことはなかったです。

大変だと思うのは、課題で求められるレファレンスの質が高いということです。日本だと、参考文献とか超テキトーじゃないですか(わたしだけですか、、!?)少なくともわたしは、法学部にいて参考文献が必要なレポートを一回も書いた記憶がありません(こんなクズなこと言っていいんだろうか。)でも、成績は必修全部Aです。アカデミックなスキルが求められてないんですよね。

でも、こっちのレポートだとレファレンスはすごく厳しいです。また、単純に課題の量は日本の厳しめの学科くらいあるだろうなって思います。文字数埋めることだけなら特にネイティブは困らないだろうけど、普通に論理的な文章を作ろうと思ったら文献読まなきゃいけないんで想像よりも時間かかりますね。

だから、常時図書館で多くの学生が勉強してるんです。大学自体24時間空いているので、わたしも夜中の2時とかまで残って課題したことあります。大学自体がいろんな場所にコンセントあったり、どこでもwifi使えたりめっちゃ環境整ってるっていうのもあります。上智で例えれば、こっちは大学全体が6号館の勉強スペース大拡張バージョンみたいな笑

・就職にどれだけ学業が関係するかの違い

日本に留学経験のある友達によく言われたのは、日本の就職制度はクレイジーだ、ということでした。「あんまり有名じゃない大学の関係学部より、東大の全く関係ない学部の学生を企業は採りたがる。大学で勉強している人を取れば即戦力なのに、企業は一から教えて時間もお金も無駄にしている。」と言われました。そうなんですよね。でも、日本の大学でさしてそのまま社会で使えることをなにも学んでいないので、当然とも言えるし、それを彼も認識していました。

一方ニュージーランドでは、経験値がものすごく大切にされます。そして、学部の選択はほとんど将来の仕事の選択とイコールです。日本みたいに潰しきく学部とか、逆に一般就職的なものがなくて、全部が専門家として扱われるみたいなものなんですかね。もちろん人口の問題とか、大学の数とかの違いもあるのでどっちがいいとは言えませんが、ニュージーランドで学業が必須な意味がわかると思います。

・日本の学生は学生時代に何をすべきなのか

ただ、わたしはここでの比較から、日本人の学生の単純にもっと勉強に没頭すべき!勉強第一にすべき!とは簡単には言い切れません。だって、どうせ日本で教えられていることが社会に出てすぐに実践可能なことでないとしたら、経験を積めることがもっと他にあると思うからです。

日本の学生の多くがアルバイトをしているのも、わたしはいいことだと思います。単純にお金を生む大変さがわかるのもそうですけど、働いている側の気持ちを人として理解しているのは重要なことだと思います。

だけど、アルバイト漬けになるのも時間の使い方としては違うよなあって思ったり。いろんな人と関わったり、いろんな場所を訪れたりすることで視野を広げることの方がもっと大事かなと思います。自分がどんな環境で普段生きているのかとか、どんな価値観を構成されてきたのかとかがわかる経験だと思うので。

学生の本分は勉強かもしれないけれど、何を学べばいいのかって本当のところはよくわからないです。ニュージーランドの学生ってお気楽そうだなって思うかもしれないけれど意外とそうじゃなかったり、日本って生真面目そうなのに大学生ってなんもしてなかったりするって思ったり、最近いろいろ考えさせられるんです。

一足先に社会に出ている方が読んでくださっているとしたら、日本人は学生のうちに何を学ぶべきだと思うのでしょうか。これから日本の大学入試の精度も変わっていくらしいですが、わたしは単純に日本人がもっと幸福感を感じられるような社会・生活についての学びを得られる時間になればいいと思います。