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なぜかうまくいく人の「聞く技術」 / 谷本有香

相手に気持ちよく話してもらい、こちらの考えもさりげなく伝え、信頼関係をつくりながら、自分の目標を実現していくのです。これこそが、「アクティブリスニング」のやり方です。
(p.7)

ポイント

・二種類の「聞く」がある。相手の話に耳を傾ける傾聴と、相手も答えを引き出す問答
・アクティブリスニングは、傾聴でコミュニケーションの土台を作り、問答でそれを深めていくこと。準備、本番、フォローの3ステップからなる
・準備の目的は、目標確認、情報収集、質問作り。
・本番の傾聴は心構えと身振りを重視し、問答では質問のタイミングや表現方法にポイントがある。
・本番後はスピードを大切にしたフォローで、程よい距離のネットワークを広げる

話す心構えはできているのか

本書では準備・本番・フォローの徹底したスキルとアイディアが具体的に示されています。普段人と話す機会はたくさんあれど、ここまで徹底した準備をして相手に向き合えているのかということを非常に考えさせられます。準備のスキルだけでも14つほど挙げられているため全てに触れることはできませんが、その中でも私が絶対に意識したいことをかいつまんで書き出していきたいと思います。

個人のーと

・目標を明確化し、それに到達するまでにも小さな目標を立てる。目標には相手のメリットも入れる
・ココ一番の相手はバックグラウンドまで調べる。就職した当初の経済情勢は相手をよく知る切り口の1つ
・ライバルと違う切り口、自分の強みと関係付けた質問
・バッドコップとグッドコップを使い分ける
・フォローのために自分に宿題を出す

プロほど徹底的に準備する

聞く技術とはセンスではなく並並ならぬ努力である、とはこの本を読んで一番に感じたことです。どんなに多くの経験を重ねている筆者でも、失敗が許されないビジネスの場面で緊張しない訳ではなかったと知ることは、話すことが苦手だと感じている多くの人に勇気を与えると思います。実際に本の中では話し下手ほどうまくいくのがアクティブリスニングであると述べられています。自分の目標を明確にしたら、あとはそれを達成するためにひたすら相手について研究する、心配りをするのです。

例えば質問力という言葉を聞いた時、私だったらただ漫然と聞きたいことを列挙していたかもしれません。それはその人が今まで何回も聞かれていたありきたりな質問になってしまったかもしれません。

しかし、相手の背景を知ることでそもそもどんな考え方をする人か想像がつくようになっていたら、何段階も深まった場所から関係を始めることができるでしょう。「聞く技術」というとどうしてもその瞬間を切り取ってしまいそうですが、そうではないのだと知ることからが本当のスタート地点かもしれません。

相手を知ると同時に、自分についても知ること

相手に対して敬意を払い続けるのと同時に、成功するためには自分を正しく知ること、目的に合わせて振舞いを変えることも非常に重要です。自分の強みを知ることで他の人とは違う切り口から質問を作ることができるからです。また、自分が相手にとってどういうポジションでいることがより目的の達成に適しているのかも、考えるべき視点の1つです。聞くという一見受け身の行為の中にも、自分という存在でなければいけない理由を見つけていく努力できる部分が隠れているのです。

約3行感想

細かな気遣いとありえないくらいの努力が聞く力を育てている。そのことがわかったこと自体が今の私にとっては大きなプラス要素であったように感じます。今はまだスタートラインで、心構えを教えていただいたという感覚が一番大きなものです。