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海外に飛び出す前に知っておきたかったこと / 小林慎和

自分は年俸いくらの人材か。何ができるからその価値があると言い切れるか。今一度考え直す必要があるのではないでしょうか。
(p.28)

ポイント

・日本語しか使えないことで国内の仕事が保たれている
・スピーキングを2,000時間してからが勝負
・チャットで仕事が進むスピード感
・イノベーションは船の中で起きる
・不可欠な交渉術、したたかさ

自分に市場価値はあるか

私が大学の最終年にインターンを始めた最大の理由は、自分が端的に示せる価値がないということへの危機感からでした。なんとなく様々な経験を積んできたものの、何ができるのかという答えは曖昧で、とても社会で身一つで戦えるものではないと思いました。

私は現在就活をしていないので、社会に出てから求められるベースのスキルは同世代が卒業前に企業に求められたものより必然的に高くなると認識しています。ですが、そこで身に付けられたものが段違いでなければ、私は新卒に比べて全く価値がないでしょう。あるいは、何も得ていない状態の自分でもできるような仕事をしたところで、自分自身が満足できないでしょう。

つまり日本でも中途採用などではそうでしょうが、海外では常に何ができる人材か・いくらの価値があるのかを主張できなければなりません。新人でも自分で給与交渉をする、と本書の一章目で書かれています。そういう同年代と同じフィールドで戦うことは今の私にはできない。圧倒的な敗北感です。

自分はこれができる、だからこの値段をつけてくれ、と自分は今言えるのかをもっと考え行動に移していく必要があると感じています。

海外は夢のビジネスシティではない

ただ、海外ばかりがいいマーケットなわけではありません。本文中で筆者が再三述べているように、特にいきなり海外で起業するのはすごいリスクです。資金調達が困難であったり、そもそも制度として日本人が簡単に雇えなかったりします。

東南アジアが注目される中で、実際にそこでビジネスをすることのリアルな様子が描かれており、夢では終わらないことを教えてくれます。それでも海外でビジネスを立ち上げるほどの情熱はあるのか、自分の覚悟が問われる問いであると思います。

交渉ができるか

日本の弱みとされる交渉術。相手の気持ちが読めないのではなく、自分の意見を主張することができないのです。でも、海外で仕事をするためには主張することは何も悪いことではないのです。そうして意思表示をすることが、より建設的なビジネスコミュニケーションになっていくのだと思います。

交渉をするというのは、もちろん自分の曲げられないポイントを守り有利に持っていくという目的があるものです。そしてそれには細かい技術もたくさんあるでしょう。

しかし、最も強く感じるのは、相手と対等な立場として勇気を持って主張するという大前提が今の私には、そして多くの日本人の若者にはできないのではないかということです。主体的な発信や、誰かを盾にできない状態での主張をもっと磨いていくべきだと感じさせられました。

約3行感想

論理的な交渉ができないことでチャンスを逃していてはもったいないです。訓練だと思って論理的思考と戦略的な主張を身に付けたいものです。そのために、分野はあんまりこだわらずに入ったゼミが活用できそうなのが嬉しい限りです。