BOOKS

伝え方が9割 / 佐々木圭一

心を動かすコトバはつくれる。
料理のレシピのように。
(p.36)

ポイント

・伝える力こそ、鍛えれば身につく。周りに差をつけることができる。
・お願いは想いを直接伝えない。相手の立場を想像し、相手のメリットを作る。

伝える力は鍛えられる

相手に響く言葉を手に入れることができたら。人生のここぞという時も、何気ない普段の光景も、上手に想いを届けられる人はいるものです。でもそれは特別な誰かが天からもらった能力ではなく、誰でも料理のようにできるようになるのだという。それがこの本に集約されたメッセージだと思います。

さて、私は本に書かれているレシピについて、ここで1つ1つには触れません。でも、これだけは言えます。全ての根底にあるのは「私」が伝えたいことを伝える自己満足ではありません。自分が伝えたいことを、「相手が聞きたいこと」に変形させて、聞かせてあげる技術だと思います。

伝え方を意識させられた友だちのひとこと

ひとつ、本文を読んでいて思い出した体験がありました。高校時代、毎日毎日練習をみてくれていた先輩たちとのメールのやり取りのことでした。同期と話していた時に、彼女がポツリといった一言が今も残っています。

「〇〇先輩はいつも最後に、頑張ろう!とか頑張っていこう!って言ってくれる。頑張って!って言われるよりずっと嬉しい。」

同じ励ましの言葉にも関わらず、頑張って!と背中を押されるよりも、頑張ろう!の方が一緒にその人も自分と一緒に頑張ってくれる、見守ってくれているような気がするというのです。確かに、「一緒に頑張って!」というのはエールというよりはお願いです。でも、「一緒に頑張ろう」とはなんと応援するのに相性がいい言葉同士でしょう。

それからは私は、自分の後輩になるべく「頑張って」とだけ言う関わり方をしないようにしてきました。というか、「頑張って」と言おうとするとそれを思い出して、その子を見捨てるような気分になるから、できないんです。逆に無責任なことも言えません。一緒に頑張らないのに一緒に頑張ろうということほど、ひどい裏切りはないと私は思うからです。

何かあったら言ってね!とだけ言って別れた相手の8割は大抵何かあったくらいでは言ってきません。本当に関わりたい相手には、こう関わりたいからこういうことお願いしてくれると助かる、と言ってパスしたことが圧倒的に多いです。私自身人に何かを頼むのがひどく苦手なので、そういう人のことばかり考えてくどくなってしまっているかもしれません。伝えたいことと伝えたい相手をより意識して、伝える力を鍛えていきたいところです。

私があえて書かなかった方法論

本には常に意識する3つのステップ7つの実践5つの惹きつける技術が示されています。でもそれらは明快すぎて、ここに箇条書きにしたら知る感動は薄れてしまうのではないかとすら思えます。自動ドアではなく重い扉を選んで開けたら、そこから動く歩道が始まっているような感覚を知らないなんて。そんな裏切りの感動がこの本にはあると思います。私が思わず複写したジョージ・カーリン氏のメールも、ぜひ味わってみてほしいです。

約3行感想

昨日読書のまとめをしようと突如思い立ち、言葉のまとまらなさに驚愕し、今日は言葉に関する本を読むと決めていました。表現の手段は多くても、日常の中で私たちが使える表現と言ったらそう多くはありません。表現方法を豊かにすることは自分を輝かせる武器となる。私はいつでもそう信じています。